2024年6月6日、東京ディズニーシーの8番目のテーマポート、ファンタジースプリングスの魔法の泉のほとりに、「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」が開業しました。
東京ディズニーランドホテル、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル、東京ディズニーセレブレーションホテルに続く、東京ディズニーリゾート6番目のホテルです。
「ファンタジーシャトー」の客室は全 419 室。最高級の「グランドシャトー」の客室は全 56 室。「グランドシャトー」すべての客室から「ファンタジースプリングス」の美しい景観を一望することができます。
▲オリエンタルランド資料より転載
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、2024年3月期決算で今年度の目玉として「ファンタジースプリングス」の開園と同ホテルの開業を位置づけており、2025年3月期のテーマパーク事業の売上予想を前年比10.3%増の5,666億円、ホテル事業の売上予想を前年比15.4%増の1,020億円と算出しています。順調な訪日外客のさらなる取り込みと客単価の上昇の両面で期待されている「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」の目論見は成功するでしょうか?
オリエンタルランド単体の業績としては、おそらく成功するでしょう。開業に当たっての減価償却費の増加、人手不足の業界の中でしっかり雇用を確保する賃金改定などのコストについての対策もしっかりと行っています。何よりも「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」といった人気コンテンツがしっかりと集客をしてくれるので、1泊50万円近い最高級路線の「グランドシャトー」も人気で予約困難となるでしょう。
問題は外資系ホテルひとり勝ちの超高級ホテル路線に、「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」がくさびを打ち込むことができるかどうかです。訪日外客の旅行消費額の約3割を占めるのが宿泊費です。富裕層向けの超高級ホテルの分野で、利益のかなりの部分が海外に還流してしまう外資系ホテルではなく、日系ブランドを育てていくことこそが、インバウンドを契機に日本経済を浮上させていく上で必要不可欠です。
活況を呈しているインバウンド業界の光と影については、最新の動向を分析した「Beyond.AI.業界レポート:ホテル・旅館」をご覧ください。
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